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大統領のシリア攻撃の決意を支持したということは攻撃を支持したということだ。

平成29年4月11日(火)

アメリカのトランプ政権において、
「政治」と「軍事」が両輪となって動き始めた。
アメリカ軍のシリア攻撃は、その実証だ。
その始動にあたりアメリカのティラーソン国務長官は、
我が国を訪問したとき、
過去二十年のアメリカの対北朝鮮政策は誤りだったと表明した。
その二十年とは、
クリントン大統領時代、ジョージ・ブッシュ大統領時代、
そしてオバマ大統領時代の二十年である。
なるほど、惨憺たる誤りの連続だ。
この誤りにより、
我が国の近くに、核ミサイルを持つ危険な独裁者が誕生した。

その誤りのパターンは、
緊張が高まったときに米朝の「対話」が始まるというものだった。
そして、「核のない半島」を目指すことが度々合意される。
すると緊張がなくなり、北朝鮮は西側から金品物資をせしめる。
その繰り返し。
その例として一九九四年十月の米朝枠組み合意を挙げる。
一九九三年にアメリカの偵察衛星に核開発施設を発見された北朝鮮は、
核拡散防止条約・NNPTから脱却して緊張を高めたが、
一九九四年アメリカとの対話に乗り、
「核のない半島」を目指してプルトリウム計画を中止し、
黒鉛炉を軽水炉に(西側の資金で)切り替えることとなり、
アメリカはさらに重油を提供することとなった。
しかし、四年後の一九九八年、
北朝鮮に地下核実験施設が発見される。
つまり、北朝鮮は約束を無視して核開発を続けていたのだ。
すると、北朝鮮は発覚すれば開き直って、
ウラン濃縮計画を進め、露骨に使用済核燃料からプロトニュウム抽出を開始し、
ブッシュ大統領は、北朝鮮を「悪の枢軸」と非難しても後の祭りで、
二〇〇六年十月九日、第一回の核実験を行う。
即ち、北朝鮮が米朝枠組み合意でせしめた資金や偽札で詐取した資金が、
核開発と実験の資金になった訳だ。
その後、北朝鮮は、ブッシュ大統領の頃の六者会合で、
寧辺核施設閉鎖に同意し、その証として同施設内の原子炉を爆破した影像を流す。
そして、ブッシュ大統領は、北朝鮮を「テロ支援国家リスト」から外した。
すると北朝鮮は、二〇〇九年五月二十五日、第二回の核実験を実施した。
ブッシュさん翻弄された訳だ。
以上の北朝鮮の騙しのサイクルが動くなかで、
一九九三年に、元アメリカ大統領のジミー・カーターが甘言に乗って訪朝し、
二〇〇九年にはもっとも簡単に騙されたクリントン元大統領が北朝鮮を訪れ
馬鹿さ加減に花を添えている。
他に、確か、クリントン政権の国務長官、オルブライト老女史も訪朝している。
実務家の訪朝者の中で、我が国の拉致問題を露骨に無視して
おのれの保身と上昇志向にかられて盛んに訪朝した者が、
ブッシュ政権において北朝鮮に騙されたコンドリーサ・ライス国務長官の
腰巾着クリストファー・ヒルであった。
我らは、彼のことをキム・ジョン・ヒルと呼んでいた。
以上、苦々しいことながら書き始めたら長くなった。

これが、要するに、ティラーソン国務長官が、誤りと表明した二十年だった。
従って、これからのアメリカの路線は、このパターンからの脱却を目指すであろう。
それは、今までの
「緊張の次の対話」
ではなく
「緊張の次の軍事」となっていく。

現在、空母カールビンソン打撃群が既に朝鮮半島周辺に来て
もう一つの空母ロナルド・レーガン打撃群と、
米韓合同軍事演習で集結している艦船や戦闘機・爆撃機群と連携している。
よって、冒頭に述べたように、北朝鮮に対して、
アメリカの「政治と軍事」の両輪が動き始めた。

そこで、この両輪の動きを念頭に置いて、本論に入る。
本論とは、即ち、我が国のことだ。
ティラーソン国務長官が、
この二十年の対北朝鮮政策は誤りだったと日本で表明したとき、
他人事のように聞き流していた我が国政府そして外務省に申したい。

二十年間の誤りを表明すべきは、
北朝鮮による拉致被害者を抱え、
北朝鮮の核弾頭ミサイルが一番先に到着する、
日本ではないか!

誤りのその象徴が、
平成十四年(二〇〇二年)九月十七日の平壌宣言であり
それを継承するとした二十六年五月のストックホルム合意である。
平壌宣言は、
拉致被害者を帰国させることには何ら触れることなく、
北朝鮮がミサイル発射と核開発を行わないと約束したことを受けて、
我が国が北朝鮮に対する数兆円の請求権を放棄し、
国交を樹立して多額の資金を無償で提供する約束である。
その後、北朝鮮は核実験を六回行っているしミサイルを毎年飛ばしている。
明確に騙されたのだ。
しかし、我が国外務省は、騙されたことを認めない。
ティラーソン国務長官の爪の垢でも飲め。
また、我が国は、平成七年から十二年までの間に北朝鮮にコメを百二十万トン供与しているが、これは北朝鮮の飢えた人々に届いていない。
即ち、北朝鮮で換金されて核とミサイル開発費に化けていたのだ。
また、我が国政府は、朝鮮総連をはじめとする我が国内の組織と個人から北朝鮮に流れる巨額の資金によって、北朝鮮が軍隊を維持し核とミサイルを開発していることを知りながら、その資金の流れを切断することをしなかった。
つまり、地球上で一番危険な核弾頭ミサイルを持った独裁者を創りあげたのは
日本政府である。
であるのに、他人事のように、北朝鮮の核問題は、
米中の合意と共同対処に任せるとの期待を懐き、
さらに、外務大臣が十日午前、アメリカ国務長官とイタリアで会談し、
日米両国が中国に対して「大きな役割」を果たすよう働きかけることで一致した、
とは何事か。我が外交の思惑は他人任せとしか言いようがない。
アメリカの思惑はともかく、我が国は完全に中国に「大きな役割」を任せるのである。
しかし、中国に任せてはならない。
強盗に町内警備を任せるようなものである。

安倍総理は、九日の朝、アメリカのトランプ大統領と電話で会談し、
シリアや北朝鮮情勢について協議した。
そしてトランプ大統領はシリア攻撃に関するアメリカの立場を説明し、
首相は、「アメリカの決意を支持する」と伝えた。
すると、アメリカのホワイトハウスは、
「大統領はアメリカのシリアでのミサイル攻撃に対する首相の支持に感謝した」
と発表した。
安倍首相がきっぱりと言ったことが、
相手に伝わった立派な電話首脳会談であった。

しかし、これを受けた報道によると、
日本政府と外務省幹部は、
以下の通り訳の分からんことを言っている(読売新聞)。

  日本政府は、「米国の決意」を支持する一方、
  軍事行動自体については、「理解」にとどめ、「支持」はしていない。
  だが、トランプ氏はミサイル攻撃への「支持表明」と受けとったようだ。
  日本政府が軍事行動の支持に踏み込んでいないのは、
  武力行使に踏み切った法的根拠などに関する米側の説明に
  「はっきりしない点が一部にある」(外務省幹部)ためだ。

この報道にある日本政府と外務省幹部と称してものを言っている役人。
アホかと思われないか。
総理大臣が、
軍にシリア攻撃を命じたアメリカの大統領に、
直接、「シリア攻撃の決意」を支持すると明言すれば、
その決意に基づいて「シリアを攻撃したこと」を支持したことではないか。
トランプ氏だけではなく、
およそ普通の人間なら、ホワイトハウス発表の通り理解する。
それを、外務省の幹部と称する者が、こざかしい理屈つまり屁理屈で、
総理大臣の発言をねじ曲げ、
シリア攻撃の決意は「支持」しても、
攻撃自体については「理解」にとどめ「支持」はしていないだと。
その理由は、法的根拠などに関してアメリカの説明に
「はっきりしない点が一部ある」からだと。

総理大臣の発言の権威を傷付けること甚だしい。
本当に、我が国の外務省はアホかとしか言いようがない。
アメリカ合衆国憲法第二条を読め。
トランプ大統領の決意と実行の法的根拠は明確である。
この憲法に定める権限を有するアメリカ大統領が
シリア攻撃を決意して軍に命令を下し、軍がその大統領命令を実行した。
大統領の決意と命令は不可分一体であり命令があれば軍はそれを実行する。
つまり、アメリカ大統領の決意と命令と軍事行動は不可分一体だ。
従って、その起点の「決意への支持」は「命令と行動」への支持である。
法的根拠は、アメリカ合衆国憲法第二条だ。
第一節「行政権は、アメリカ合衆国大統領に属する」
第二節「大統領は、合衆国の陸海軍および現に召集された合衆国の軍務に服する各州の民兵の
最高司令官(Commander in Chief)である」
これほど明確なものはない。

では、何故、我が国の「政府」や「外務省幹部」と言われて
マスコミにもっともらしく述べる者たちは、
決意は支持するが決意に基づく行動は支持ではない、
などとほざいて
せっかく国際的に通用する常識で発言している
「総理大臣の言葉の権威」を貶めるのか。

その理由は、つまり、彼らが政治と軍事が不可分一体であるという
クラウゼビッツ以来の国際政治の常識が理解できない、
一種の未熟児であるからだ。
我が国の戦後政治は、「軍事」への理解を欠落させているから、
このような未熟児によって「日本国政府」が運用されて、
総理大臣や国民が国際的に恥をかくのだ。

シリアのみならず、東アジアでこれから起こりうる事態も、
政治と軍事が両輪となって生み出されてゆくであろう。
よって、急遽、朝鮮半島沖に戻った原子力空母カールビンソン打撃群は、
マスコミの見出しにあるように、単に、北朝鮮に「圧力」をかけるだけではなく、
いざとなったら「攻撃」を開始するために戻っている。
仮に、アメリカが、その攻撃を開始して安倍総理が電話でアメリカ大統領に、
「大統領の北朝鮮攻撃の決意を支持する」と言ったときに、
外務省幹部は、この度のように、
日本は「攻撃の決意」を支持するが、
攻撃自体は「理解」するが「支持」しない、
などと絶対に言ってはならない。
今から、東アジアで「交渉」ではなく「軍事」が動き始めたときに、
この度のようなことを言う「外務省幹部」は、予め更迭しておくのが国の為だ。

有事の時には、
総理大臣は、
自らの信念に基づいて国際的に発信されたい。
さらに、
総理大臣には、
アメリカ合衆国憲法第二条のトランプ大統領が有する
Commander in Chiefの地位と権限が
我が国内法によって附与されていることを自覚され、
いざとなれば、それを行使されたい。








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